サウナ好きの間でよく聞く「ととのう」という言葉。
これはサウナ→水風呂→外気浴のうち、外気浴時に起こる現象です。
このととのうを一言で表すならば、
「相反の同居」
です。
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↑とお思いかもしれませんが、順を追って説明します。
「ととのう」の主観的な感覚
まず私が外気浴時、いわゆるととのっているとき主観的に感じることををまとめてみました。
・脳の隙間に澄んだ空気が流れ込んでくるような清涼感
・宇宙空間をただようような浮遊感
・雑念が消え、一点に集中する
・落ち着いているのに、ランナーズハイのような高揚感がある
個人差はあるとは思いますが、ほかの人もととのっている時に似たような現象が発生しているのではないでしょうか?
「ととのう」の客観的な視点
ではととのい時に発生する主観的な感覚がどういったものから発生したのか、書籍等で調べ科学的側面から分析・考察してみました。
アドレナリンと副交感神経の同時作用
サウナと水風呂は人間が長期間活動できる環境ではありません。
そのため人体にとってはストレスのかかっている状態であり、これは人体からアドレナリンが分泌される条件でもあります。
そしてアドレナリンが分泌することで、体は興奮状態となります。
一方で外気浴時には自律神経において交感神経が優位だった状態から、一気に副交感神経が優位になり、リラックスや落ち着きを感じるモードになります。
このとき水風呂から上がって間もないためアドレナリンも分泌している最中です。
つまり、本来は相反する「興奮」と「リラックス」が同時に起きているのです。これが上記の「落ち着いているのに高揚感がある」の正体だと考えられます。
雑念エリアがオフになる
私たちが何かものごとを考えるとき、常に一本のルートをたどって思考しているわけではありません。状況に合わせて二つのルートを使い分けています。
理科の電気回路で例えると、直列回路と並列回路を使い分けて電気を流しているような感覚です。
そしてその二つのルート(脳回路)というのはDMNとCENと呼ばれています。
DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)
ぼーっとしているとき、すなわち脳が意識的に働いていない時に活性化する脳回路です。
雑念が浮かんでいたり、何も考えずスマホやゲームを触ってる時にこのDMNが活性化すると考えられます。
CEN(セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク)
集中して仕事を行っている時に活性化する脳回路です。
実は、私たちが普段多くのエネルギーを使って行っているのは、実はCENではなくDMNによるものです。
その割合なんと70%程度だといわれています。
ぼーっとしている状態というのは意外にも大食漢なのです・・・
しかし、サウナ中は体温の上昇によって思考よりも熱を外に逃がすことを優先します。
そのため、DMNが強制的にシャットダウンされ、深く思考することが困難、もしくはCENが活性化し一点に集中するようになります。
これが上記の「雑念が消え、一点に集中する」の正体だと考えられます。
脳内圧の変化によるリラックス感
サウナに関する研究ではサウナ後に脳の各部位の活動度合いを調べたところ、活性化している部位のひとつとして頭頂葉があります。
頭頂葉は一般的に感覚や認識・情報の分析を司る部位で、サウナ後の血流や神経活動の変化も頭頂葉は感じ取っているはずです。
それに加えてサウナによって体から快楽物質(セロトニン、ドーパミン、エンドルフィン)も分泌されます。
つまり、サ活によって発生した以下の現象に頭頂葉が反応します。
・脳血圧が高圧→低圧
・自律神経が交感神経優位→副交感神経優位
・快楽物質の分泌
そして頭頂葉が上記の変化を「脳の隙間に綺麗な空気が通る」や「宇宙空間のような浮遊感」のような、気持ちの良い感覚だと認識している可能性が高いです。
まとめ
サウナ時の主観的な感覚を科学的側面から分析・考察してきましたが、いずれも緊張とリラックスという対極する状態がほぼ同時に存在することによって起こる現象だと考えられます。
これが最初に述べた「相反の同居」というわけです。
もしかするとととのうメカニズムを理解すると、より一層ととのうのではないですかね?
・・・知らんけど(笑)
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!!
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